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平成24年の初春を寿ぎ、謹んで年頭のご挨拶を申し上げます。 日頃よりご支援を賜っております多くの方々に感謝を申し上げます。 昨年、平成23年は、日本という国が多大な試練にさらされた激動の年でありました。 ことに、3.11東日本大震災は、1000年に1度の激震、初めて目の当たりにした大津波の圧倒的な恐怖、その後の大規模な原発事故と、災害には比較的強かったはずのわが国に大打撃をもたらしました。その爪跡はあまりにも深く、私たちの前には復興への遠く長い途が続いています。 私共、マリンと防災を両輪とするメーカーにとりましては、復興に向けての生産及び供給に取り組んだ年でございました。 一方、海外に目を向けてみると、年明けのニュージーランド、11月のトルコとあちこちで大地震が頻発、さらに日本での2週にわたる大型台風、タイにおける長期水害など、地震と水による災害が目立つ年でもありました。 また、経済面では、欧米での不況が加速度的に進行。ギリシャの財政危機はイタリア・スペインへと飛び火し、米国でも社会不安による大規模デモが未だ止む気配を見せません。中東・アフリカ諸国は革命による変革の苦しみの中にあり、ほとんど唯一経済発展を続けているように見えた中国ですら、バブル崩壊の兆しを見せ始めました。特に先進諸国の先行き不透明感は深刻で世界が暗雲に包まれてしまったかのようにも思われます。 その結果、未曽有の天災におそわれながら、過去に類を見ない円高ドル・ユーロ安が止まらないという皮肉な現象を呼びました。 この急激な、しかも長期の円高に加え、電力不足による企業活動の停滞、TPP参画への期待と不安の錯綜等々、日本経済もまた世界の昏迷から不可避ではいられない状況です。 しかしその一方で、大震災直後に世界から寄せられた純粋な好意と支援、そして日本人への驚嘆や賞賛の声が、我々を勇気づけてくれたこともまた事実でありました。絆という一字に思いをこめ、被災された方々に心寄せる日々の中で、節電にも増税にも大きな不満を唱えることなく、試練に対していたわりあい、肩を寄せる姿は、久しく忘れかけていた「日本人らしさ」への、良い意味での回帰だったようにも思われます。 ドミノ倒しの如きパラダイムシフトに世界が揺れる今、折りしも辰年を迎えて、この暗雲をつき破って飛翔する竜の子が、私たちの心の奥底で眠りから覚めはじめていると思えば、遠い復興への途にも一条の光が見えるのではないでしょうか。 こうした中、私どもは今年会社設立80周年という節目の年を迎えました。 これまで支え、ご愛顧いただいたすべての皆様への感謝を日々新たにするとともに、このような年だからこそ、企業理念としております「社会貢献」をさらに推し進めるべきであると決意しております。 暗雲を払う竜頭とは言えずとも、持ち前のスピードを発揮して、竜の飛翔を担う一端に加われたらと願わずにはいられません。 輝かしい1年を、と容易に言えない今ではありますが、だからこそ辰年の竜の暗雲を破る夢が、皆様にとっても正夢となりますようねがいつつ、年頭のご挨拶とさせて頂きます。
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