BSI:sup消防ポンプの話5

放水時のポンプ圧力設定

消防ポンプの話(5)

ページタイトル

放水時のポンプ圧力設定

コンテンツ

今回は読者の方が機関員(消防ポンプを操作する人)になった場合、どのようにポンプの圧力を設定すればよいか、についてお話しましょう。

1. 水についての基礎知識

水1cm3=1cc=1g簡単に考えると スゴロクで使うサイコロぐらいの水の量は1円玉と同じ重量、つまり1gなのです。

2. 圧力についての基礎知識

1kg/cm2とは、1cm2の単位面積に1kg=1,000gの重量がのっている一番下の面にかかる圧力です。

水について考えるとサイコロぐらいの水量を1000コ縦に積み上げた一番下のサイコロにかかる圧力です。
従って水の高さを見ると1kg/cm2では水柱で1cm×1000コ=1000cm=10mです。

つまり1kg/cm2とは水を10mの高さまで上げる能力があるのです。

(注)現在圧力はkg/cm2からMPaに変更しています。10kg/cm2=0.98MPa
       0.1MPa=1.02kg/cm2(約1kg/cm2)です。

3. 放水時のポンプ操作について

放水を行う条件は、場所、水利の状況により様々であり、機関員はその状況にあったポンプ操作をしなければなりません。ポンプから水を筒先に送るまでに、圧力損失(高さ損失、ホース圧損失)が発生します。したがって実際の消火活動では、図のように3つの圧力を考慮し、ポンプを運転することになります。

(1) 筒先の圧力(ノズル圧力)

放水するには、水圧がないとノズルから水は出ません。しかし圧力が高すぎても危険です。 それはノズルから水が出る時図のような反動力、つまり筒先を持っている人が 水の出る方向と反対側に押し戻される力が発生します。 1人の場合は約18kgが消火活動時筒先を長時間安全に保てる限度とされています。

一般的には、21型の噴霧ノズルを使用していますので、これをストレートの状態で使用すると、 筒先の圧力は約3kg/cm2前後(0.3MPa)がよいと思われます。 私も放水を行ったことがありますが、0.3MPaを越えると管鎗を左右に振られ、自分の目標とする部分に 水を放水することがむずかしくなります。

(2) 高さの損失

先ほど圧力の基礎知識でお話しした通り、ポンプから筒先までの垂直の高さ10mで、圧力は1kg/cm2下がります。100mの高さのビルに水を上げる場合、放水量、ホースの圧力損失を無視すると、ポンプの圧力は10kg/cm2以上必要です。ただし10kg/cm2では、100mの高さまで水が上がるだけでビルの上では放水できません。しかし70mでは、損失圧力に余裕があるため放水されます。

(3) ホースの圧力損失

水がホース内を流れるときに摩耗抵抗により発生する圧力損失のことで、水の量、ホースの径により異なります。 一般的な消火活動 (21型噴霧ノズル、ノズル圧力3kg/cm2、放水量500l/min)では、65mmホース1本当たり約0.2kg/cm2損失圧力となります。 詳細は次号にて送水基準板の解説でお話しします。
機関員から筒先が見えていれば感覚的に判断できますが、水利、地形の状況で 見えない場合が多いと思います。 その場合は、ぜひこの3点を考慮し、安全で迅速な放水を行っていただきたいと思います。


Back Number

【参】BSI:サイドナビ

ページトップへ